自治体シンクタンクの特徴
民間シンクタンクにない、自治体シンクタンクの特徴は次の5点あると考えている。
第1に、現場を持っているという強みである。一般的に民間シンクタンクは、現場が遠いために、現場に起きている課題をビビッドに感じることが難しい。その結果、民間シンクタンクの調査研究の成果の速やかな反映が難しくなる傾向がある。
第2に、意思決定に直接的に結びつく政策研究ができる点である。これは自治体シンクタンクに所属する研究者にとっては大変にやりがいのある仕事となる。
第3に、制度や法律と予算の制約の中での調査研究が求められる点である。特に様々な制度を常に頭に入れて調査研究を実施なくてはいけない。もちろん、制度を変える調査研究の成果をだすことも重要であるが、実際は簡単に制度が変わるものではない。その制約下の中で、政策実現に結びつくいい調査研究をしていくことが醍醐味である。
第4に、議会において手続が必要であり、いわゆる手続論を経過しなくてはいけない点である。なお厳密にいえば、自治体シンクタンクが議会に対して政策を提案し、手続を経るというわけではない。実際は担当課が自治体シンクタンクを通して提案された政策を、議会を通して手続を行うことが多いと思われる。
第5は、責任論が発生する点である。民間シンクタンクには、語弊があるかもしれないが、自らが行った委託調査研究に対して責任を持たない場合が多い。契約書に「この調査研究の責任は、民間シンクタンクにあります」などと明記していることはないだろう。責任を持った調査研究をすること(調査研究に責任を持つこと)・・・ これは、自治体シンクタンクならではと、私は思っている。
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