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2009年2月10日 (火曜日)

「先進自治体への視察」はおかしいことではないか。

地方自治体が何かしら政策開発を検討する時、しばしば先進自治体に視察に行くことが多い。そして視察を受入れる地方自治体も、基本的に「ウエルカム!」という姿勢である(断ることはほとんどない)。

よくよく考えると、このことはおかしいのではないか。

例えば、民間企業を事例にすると、そのおかしさが理解できる。普通に考えて、A社とB社の間で、以下の会話が成立するであろうか。

●民間企業のA社

「今度、携帯電話に新機能をつけた製品を開発しようと思っています。つきしては、この分野について、一歩進んでいるライバルのB社さん、そのノウハウを教えていただきたく視察を受け入れてくださいますか?」

● 民間企業のB社

「ぜひ、視察にいらしてください。その製品の開発過程をはじめ、売上拡大する当社独自のマーケティング戦略など、ノウハウのすべてを教えます!」

私は上記の会話が成立するとは思えない。なぜならば、自社(B社)の企業秘密を他社(A社)に教えるということは、自社(B社)の存亡の危機を招いてしまうからである。

しかしながら、地方自治体の場合は、上記の会話が成立してしまう。不思議なことである。つまり、先進的自治体は、視察に訪れた地方自治体に対して、住民獲得のノウハウを無償で提供していることになる。

現在進行形で進んでいる都市間競争は、この状況を一変させるだろう。都市間競争の時代においては、地方自治体は「住民の獲得」を目指して競争することになる。

特に人口減少時代においては住民が少なくなっていく。その少なくなっていく住民を地方自治体間で奪い合う時代である。そのような時代においては、視察を受入れて、ノウハウを提供するという悠長な行動はとらなくなると考えられる。

より端的にいえば、地方自治体は「住民を獲得したノウハウをすべて教えます(先進事例を教えます)」ということはしなくなるだろう。都市間競争とは、そういうものである。現在においては、このことを認識していない地方自治体が多すぎるように思われる(ちなみに、私は、このような殺伐とした社会はイヤである)。

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