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2009年4月26日 (日曜日)

研究計画書の作成について。

この4月は、自治体シンクタンクで、研究計画書を作成する時期です。研究計画書を作成する際に、留意してほしい私見を下記します。

●研究テーマについて
具体的に書くことが大事です。特に自治体シンクタンクは、最終的に施策化・事業化が求められることが多いので、具体的に明記することが必要です。
あるいは、主題は漠然とし、副題で具体的に記述することも考えられます。そして、この研究は「何を扱うのか」「どのような仮説をたて立証していくのか」をテーマに書き込む必要があります。

●提案先について
自治体シンクタンクの研究は、事業・施策レベルでも、政策レベルでも、「誰に対する提案か」ということを明確にする必要があります。例えば、都道府県に対して提案しているのか。あるいは国や住民かもしれない。自らの自治体の場合は、どの担当課が最終的に受け持つのでしょうか。この「誰に対する提案か」を明確にする必要があります。

●どちらのスタンスか
自治体シンクタンクの場合は、下記の2つのうち、この研究は、どちらのスタンスかを考えておく。スタンスを明確にする必要があります。
<A>
首長には意向(落とし所)があり、その意向を理論的に裏付ける研究を実施する。
<B>
首長には明確な落とし所はなく、研究を実施し、3つくらいの方向性を提示し、その中から首長に選んでもらう。

●キーワード(重要語句)の定義
研究には、新しい概念や不確定な概念が多々あるので、この研究にとって、必要不可欠なキーワードを抽出する。例えば「基礎自治体」は何かのか。「基礎「的」自治体」という表記もあるが、何が異なるのか。いくつか重要な語句を抽出し、それらを定義づけする必要があります。なお、この定義は、研究を進める上で、変更しても構いません。

●研究の視点について
研究の目的や進め方などは、5W1Hで考えるとよいです。Who(誰が) What(何を) When(いつ) Where(どこで) Why(どうして)したのか。さらに、How(どのように) です。

こんなことを考えながら、調査研究の計画書を作成していく。この計画書が作成できたのならば、ほぼ、その研究は終わったに等しいと思います。

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