廃止になる自治体シンクタンク一理由。
誕生する自治体シンクタンクがあれば、なくなってしまう自治体シンクタンクもある。
今年度も、ポツポツ誕生し、一方で少しだけなくなった。
自治体シンクタンクがなくなる要因として、共通することは、首長の交代です。特に前首長と異なった思考を持った首長に変わると、自治体シンクタンクがなくなる傾向が強いです。
ある自治体でも、かつて自治体シンクタンクが首長の交代とともになくなりました。私は、その首長と、少し面識あるのですが、「前首長のつくった自治体シンクタンクなんか廃止してしまえ」なんて言う人ではありません。
となると、なくなった理由は、①勝手に補助機関が「前首長の対立候補として当選したから、前首長がつくったシンクタンクは廃止したほうがいいかな」なんて気をきかせて廃止したか、
②単に組織として実績が残せなかったために、廃止になったか・・・
の、どちらかになります。そして、往々に、なくなった理由を観察すると、前者に該当するケースが多いです。
個人的には、自治体シンクタンク(というか、自治体の組織全般に言えますが)が、成果を導出するためには、最低限、5年くらいの期間が必要だと思っています。
その5年に達する前に、首長が交代すると、自治体シンクタンクも廃止になる。これは、あまりよい傾向じゃないなぁ・・・と思っています(成果を出す前に、数年で廃止になって、「自治体シンクタンクの限界論」を論じられては、たまったものではありません)。
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コメント
富士旭さま
コメントありがとうございました。お返事が遅くなり、すみません。
私の友人に首長が何人かいるのですが、就任後の人事異動について聞くと、ほとんどが「勝手に気をまわした」的な発言をします。勝手に気をまわす人事課はどうなんですかね?
あるいは首長の交代を機に、補助機関がいろいろと画策をしているのかもしれません。
いずれにしても、規模の小さな自治体は、優秀な人材が限られていますので、人事異動でとんでもないところに行っちゃった人や組織改革でなくなったいい組織は、数年後には復活する傾向が強いですが・・・
貴重なコメントありがとうございます。
また何かしらコメントしていただけると嬉しいです。
投稿: M研究員 | 2009年5月29日 (金曜日) 08時21分
なくなってから一月ちょっとがたちました。
首長は廃止を廃止前日に知って怒りました。
しかし、どうにもならないわけです。
「雇い止め」にした非常勤研究員のうち一人は、首長の肝いりで別の形で数週間後に再雇用されました(首長の大学の後輩でもある)。
結局職員の間に「考える」ということの意味が本当に浸透しない限り、自治体シンクタンクというものはまともに機能しないし、存在も危ういものなんだな、ということを実感しました。
そもそも自治体シンクタンクというものが本当に果たすべき役割が未だに曖昧で、何のために必要なのかが理解されていないことが、首長やら職員やらが入れ替わっただけで足下がぐらつく危うさを孕んでいる最大の原因だと思いますし、それが理解され、地方自治体が「自治体」として在るために必要なものであることが政治家から一職員まで認識されない以上、こういった事例は延々と続くことでしょう。
私は、新しい部署で(それなりに)元気にやっています。もう一度、自治体職員になった原点を見つめ直す日々です。
投稿: 富士旭 | 2009年5月 6日 (水曜日) 20時13分