庁内分権・・・その前に集権だろ。
「美しさの尊重は、一時の思い付きではなくずっと継続していきたい。また、全国一律の美しさはありえない。北海道と沖縄で美しさが違うのは当然だ。建設省が基準をつくるのではなく、基礎自治体が中心になって、それぞれの個性を生かして美しい都市をつくっていくべきだ」田村明(2005)『まちづくりと景観』岩波新書
最近は、景観に関する図書を集中的に読んでいます。
さて、先日、無事に 「SANNO 自治体フォーラム~選ばれる自治体構築のための政策開発~ 」が終わりました。
ご参加してくださった皆様、また主催者の産業能率大学総合研究所のスタッフの皆様、大変にお世話になり、ありがとうございました。
そのフォーラムの質疑応答で、庁内分権についての質問がありました。その質問には、私ではなく、戸田市政策研究所の副所長が答えたのですが、私の意見を、ここで記しておきたいと思います(質問の意図とはずれるかもしれませんが)。
以前、ここで記したと思いますが、私は、庁内分権の前に庁内集権があると思っています。
というのは、庁内分権しても、その分けられた権能・権限をいかすことができる人材がいないことには、何も変化が起きないからです。
そうならないためには、一度、庁内集権し、そこで人材を育成する必要があります。そして、育った人材が庁内に散ることにより、分権の受け皿ができるという流れです。
自治体シンクタンクの一つの役割として、庁内分権を見据えた人材を創るということがあると思っています。実際に、いくつかの自治体シンクタンクを観察すると、優秀な人材を自治体シンクタンクに集めて、トレーニングしている側面もあります。
繰り返しますが、自治体シンクタンクは、人材育成の機能(その中でも高度な人材を育成する)を持っていると思います。
私は、いま、いくつかの自治体シンクタンクと関係を持っていますが、そこにいる職員が、数年後には、庁内に散り、その後、彼ら彼女らが受け皿となり、庁内分権が進んでいくと思っています。そのことを考えながら、私は日々過ごしています。
そして彼ら彼女らが、いつしか企画部門に戻ってきて、私を再び呼んでくれることを、密かな楽しみとしています。その日を期待して、いま日々、一生懸命に関わっています。
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