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2012年1月31日 (火曜日)

行政評価を考える①

私の人生を振り返ってみると、何かにつけて評価されることが多かったような気がする。そして私の評価はあまりよくなく、よく落ち込んだ日々を過ごしたものだ。

この評価の意味を調べると、「①品物の価格を決めること。また、その価格。ねぶみ。②事物や人物の、善悪・美醜などの価値を判断して決めること。③ある事物や人物について、その意義・価値を認めること」とある。評価の定義の中に、「ねぶみ」や「価値」「意義」などとある。何とも重たい言葉である。

今日、地方自治体において行政活動を評価する傾向が、ますます強まっている。そして行政を評価するための条例も多く登場している。そこで、行政評価の現状を探ってみたい。

●行政評価とは何か

地方自治体における行政評価は、「①行政が実施している政策、施策や事務事業について、何かしらの基準を用いて、それらの効果を把握し、②行政活動の有効性、効率性、必要性等を評価することであり、③行政自らが住民の視点に立って点検・評価し、その結果を次の企画立案に生かすことによって、④行政活動の質的向上を図るための行財政改革の一手法」と定義される(長い文章になったため、「①」から「④」をつけて説明した)。

●政策評価、施策評価、事務事業評価

上記の定義のポイントは、行政評価とは、次の3つの評価に分けられるという点である。それは、①政策評価と、②施策評価、③事務評価、である。それぞれについて説明すると、政策評価は「政策目的がどの程度達成されているかを評価し、行政活動に役立てるための取組み」と捉えることができる。

そして施策評価は「目的を同一にする事務事業を『施策』と捉え、その施策の目的の達成度を評価し、施策内の事務事業の最適な組み合わせを検証する取組み」と定義できる。

最後に事務事業評価は「個別の事務事業の必要性や効果、効率性等を評価することによって、行政資源の有効配分や実施努力の目標設定など具体的な改善・見直し等を行うための仕組み」と考えられる。

このように行政評価は政策評価、施策評価、事務事業評価と3段階から考えていく必要がある。昨今では、この3段階の観点から評価している地方自治体がある一方で、政策評価のみ、あるいは事務事業評価だけを実施するなど、実際の取組みはバラバラである。地方自治体の規模や実状にあわせて、行政評価を実施していけばよいと考える(必ずしも、3段階すべての評価を実施する必要はない)。

なお、国の場合は、「行政機関が行う政策の評価に関する法律」の中では、行政評価ではなく、政策評価という文言で統一して使われている。特に「政策評価」と「行政評価・監視」とは、異なる含意を有する法令用語として使用されている。

●評価のための評価に注意

行政評価の定義を「行政活動の質的向上を図るための行財政改革の一手法」としている。行政評価の目的は、あくまでも行政活動の質的向上を図るために実施するということをおさえる必要がある。すなわち、得られた評価結果を翌年度以降の企画立案に反映させることで、行政活動が強化されていくのである。

しかしながら、実際の行政評価の取組みを観察すると、「得られた評価結果を翌年度以降の企画立案に反映させる」ことがあまり見られない現状もある。例えば、結局は財政難のため、すべての事務事業を一律カットするなど、評価した意味がほとんどなくなってしまう。このようなことを繰り返すうちに、行政評価は評価することが目的化し、「評価のための評価」に陥ってしまうことが少なからずある。この点に注意しなくてはいけない。

また、定義にある「行財政改革」という文言も説明しておきたい。この「改革」という意味は、一般的には「従来の制度などを改めてよりよいものにすること」と捉えられる。昨今では改革が「縮小」や「削減」の同義語に捉えられているきらいがあるが、実は違う。本来の意味は、従来の制度などを改めてよりよいものにする能動的な取組みである。その意味では、行政評価により、政策の拡充や事務事業の拡大など、縮小や削減の一辺倒ではなく「拡大」や「増加」、あるいは「追加」などの視点も求められるだろう。

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