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2012年2月 3日 (金曜日)

行政評価を考える④

再度、行政評価の定義を確認すると「行政が実施している政策、施策や事務事業について、何かしらの基準を用いて、それらの効果を把握し、行政活動の有効性、効率性、必要性等を評価することであり、行政自らが住民の視点に立って点検・評価し、その結果を次の企画立案に生かすことによって、行政活動の質的向上を図るための行財政改革の一手法」である。

いろいろと行政評価について言及してきたが、あくまでも行財政改革の「一手法」ということである。行財政改革の様々な手法がある中で、一つにすぎないことを認識する必要がある。

●モノサシとして活用することが大事

行政評価の結果は、「モノサシとして活用することが大事」であると考えている。行政評価を実施する時に、掲げた目標どおりに達成できなかったことをマイナス視するのではなく、できなかった事実に対して「なぜできなかったのか」と検証するために役立てることが大事である。すなわち、行政評価は、過去の行政活動のモノサシとして活用することが大切である。

そして、行政評価を単なる評価として終わらせるのではなく、PDCAというサイクルを参考として、循環的な行政活動サイクルを意識していくことも大事である。なお、この考えはマニフェストにおいても同様である。

●PDCAサイクル

PDCAサイクルとは、製造業や建設業などの民間の事業活動において、生産管理や品質管理などの管理業務を計画通りスムーズに進めるための管理サイクルである。PDCAサイクルという名称は、一連のサイクルが4段階からなることから、その頭文字をつなげたものである。

それは「①Plan」(計画)の段階がある。ここでは従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する。次に「②Do」(実施・実行)となる。計画に沿って具体的に業務を行う。そして「③Check」(点検・評価)へと進む。ここは業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する段階である。最後に「④Act」(処置・改善)となる。ここで最終的に実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする。そして「④Act」の結果が「①Plan」に反映される循環的な流れとなる(①Plan→②Do→③Check→④Act→①Plan)。

●行政評価への個人的な愚痴 

様々な地方自治体で行政評価に係わり、それなりに思うことがあるので、最後に記しておきたい。なお、行政評価を担当する自治体職員は真摯に「自らの業務として」取り組んでおり、頭の下がる思いである。行政評価の制度的な問題点について言及したい。

まずは、特に事務事業の評価に指摘できることであるが、単年度単位で評価することにより、どうしても行政活動が矮小化していく傾向がある。また、事務事業評価に馴染まない事務事業も多々ある。例えば、政策研究や人材育成などが該当する。短期的な結果を求める事務事業評価の前では、政策研究や職員研修は太刀打ちできず、予算が縮小される傾向にある。中長期的な取組みにより、成果がでてくる行政活動は、評価から外す(特に事務事業評価)ことが必要と考えられる。 

次に、行政評価委員会についても懐疑的である。本来は、住民の代表である地方議員がしっかりと、執行機関を監視していれば、わざわざ行政評価委員会を立ち上げる必要はないのではなかろうか。言い方に語弊があるが、地方議員がちゃんと執行機関を評価できていないため、行政評価委員会が立ち上がっているのではなかろうか。

この行政評価委員会の構成員は、学識者や公募住民等であるため、選挙を経た地方議員ではなく正当性がない。そのため、行政評価委員が執行機関に対して意見を言うが、意見を言っておしまいという傾向も少なからずある。そして、この延長線上には、行政評価がマンネリ化し、評価のための評価となっていく。その結果、行政評価に対して過度に期待を持っている住民にとっては、失望感を招くことになる(これは「事業仕分け」についてもいえることである)。このような行政評価はいらないと思われる。

最後に、本当に個人的な愚痴になるが、今まで、様々な地方自治体の行政評価に係ってきたが、「とにかく業務量が半端じゃなく多い」のが困ってしまう。大量の資料を読み、また、適宜、地方自治体のホームページなどを自ら検索して情報を入手して、行政評価をすることになる。こういう経験をとおして、特に深夜に資料を読み込んでいると「本来、こういう作業は地方議員がすることではないか」と思ってしまう。

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やや個人的な愚痴になってしまった(反省)。行政評価は様々な問題があるにしても、自らが評価する意義は重要である。行政評価は、いま曲がり角にきていると思われる。今後、行政評価に取組むのならば、既存の行政評価のいいところを採用し、その地方自治体に合致した行政評価を構築する必要があるだろう。

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現在、志木市第四小学校の耐震化工事にあわせて空き教室を利用した、高齢者の地域コミュニティづくりを目的としたランチルームができました。応募したボランティアで運営委員会をつくり、市の委託事業として開設資金を預かり準備作業から始まり週1回運営しています。突然1月の広報で4月から毎日運営するという発表が出て、ボランティアの募集をしようとしたところ、事業者に委託する予定との話が来ました。その背景には、国土交通省まちづくり課の、ランチルーを地域の拠点としたモデル事業となり大学の先生3名からなる検討委員会ができていました。高齢者の給食事業は現在も、社協で行なっています。
民生委員の事業もあります。政策の整合性が問われないままに進行しています。しかも検討委員会では、市民との協働のあり方も議題になっていますが、この施設が市民の要望でできたものではなく、「造って上げる」的な
アイディアであり、市民協働の基本である信頼関係も壊しながらの、地域コミュニテイづくりをしようとしています。行政評価の対象となる最たる事業としていきたいと思っています。

投稿: 加藤智康 | 2012年2月 6日 (月曜日) 11時45分

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