協働の失敗。
●協働の失敗(きょうどうのしっぱい)
協働の失敗とは、「行政(地方自治体)と住民の協力関係の中で、それぞれの主体が当初期待したとおりに協力関係が進まず、かえってそれぞれの主体間で不信感が増大し、その結果、外部不経済が生じること」と定義することができる。
経済学には、市場の失敗や政府の失敗という概念がある。市場の失敗とは、市場メカニズムだけでは、資源配分の効率性が達成されない状況であり、市場メカニズムのもたらす均衡が必ずしもパレート効率的にならない状態をいう。その結果、外部不経済(環境の汚染や高速道路の渋滞など)が生じることをさしている。
政府の失敗とは、市場メカニズムの中で、政府主導の経済政策が意図したような成果を上げられず、かえって経済活動が非効率化することである。また政府による規制が時にはさまざまな無駄を生み、汚職や腐敗など社会的コストを生みさえするということである。
市場の失敗や政府の失敗と同様に、協働の失敗も存在するだろう。
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コメント
はやしさま
コメントありがとうございました。
実体験に基づいた論文でして、理論的裏づけはないのですが、何かしら参考になれば幸いです。
大学の講義でも、学生さんに「気づき」を与えられる内容にしたいと思っています。
今後とも、よろしくお願いします。
投稿: M研究員 | 2012年4月15日 (日曜日) 07時31分
ガバナンスに寄稿された人財育成に関する特集記事読ませて頂きました。
私自身、自治体研修についてあまり考えたことが無かったので読んでみると新鮮でした。
特に先生の『自治体研修は「気づき」を与えることに主眼をおいたほうが良い』という見解は非常に勉強になりました。
私は職業公務員ではなく、自治体の発展のために地域と密接に関わる公務員になろうと思いました!!
投稿: はやし | 2012年4月 5日 (木曜日) 14時10分