「高齢者」を対象とした条例の背景と傾向。
●「高齢者」を対象とした法律の経緯
2011年3月末時点、国は高齢者に関する法律はどれくらい保持しているのだろうか。総務省が運営する「法律データ提供システム」において、「高齢者」という文言を検索すると、175法律が該当する。
その中で、高齢者を対象とした法律は「老人福祉法」「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」「高齢者の医療の確保に関する法律」「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」などが該当する。
多くの法律が高齢者の定義を「65歳以上」としている。しかし「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」は「高年齢者」とあることから高齢者ではない。同法における高年齢者の定義は55歳以上となっている。
また「高齢者の医療の確保に関する法律」は、2007年3月31日までは法律名が「老人保健法」であった。その後、後期高齢者医療制度の発足にあわせ2008年4月1日に現在の法律名に変更された。一般的に老人とは「年をとった人。年寄り」という意味を持っている。「老」という文字から、極めて後向きな印象を持ってしまう。そこで法律においても、「老人」から「高齢者」へと表記を変えつつある。
平成に入ってから高齢者に関する法律の整備が段階的に進められていることである。その大きな理由は、確実にわが国は高齢社会を歩んでいるからである。その意味では、今後も高齢者に関する法律が新たに成立する可能性があるだろう。
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