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2012年4月 8日 (日曜日)

「高齢者」を対象とした条例の背景と傾向。

●「高齢者」を対象とした施策の広がり

わが国は高齢社会を歩んでいる。1970年に高齢化率(65歳以上人口)が7%を超え、1994年には14%を超えた。そして2010年10月1日時点における高齢者人口は過去最高の2,958万人となり、高齢化率は23.1%となっている。実に5人に1人が高齢者という状況になっている。また、2010年10月1日時点における前期高齢者(65~74歳人口)は1,528万人であり、総人口に占める割合は11.9%となっている。そして、後期高齢者(75歳以上人口)は1,430万人となり、総人口に占める割合は11.2%という数字である。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、高齢者人口は2020年まで急速に増え続ける。その後はやや安定するが、わが国の総人口が減少していくために高齢化率は上昇し続ける。人口に占める高齢者が増加し、「高齢者大国・日本」が近づいてきた。

このような背景により、国は高齢者を対象とした法律の整備を進めてきた。例えば、「高齢社会対策基本法」がある。同法律は「我が国における急速な高齢化の進展が経済社会の変化と相まって、国民生活に広範な影響を及ぼしている状況にかんがみ、高齢化の進展に適切に対処するための施策に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、高齢社会対策の基本となる事項を定めること等により、高齢社会対策を総合的に推進し、もって経済社会の健全な発展及び国民生活の安定向上を図ること」(第1条)が目的となっている。そのほか高齢者を対象とした法律は「高年齢者雇用安定法」や「高齢者の医療の確保に関する法律」、「老人福祉法」などある(高齢者対象とした法律は様々ある。以下では、一括して「高齢者法」とする)。

一方で、地方自治体も高齢者を対象とした条例の整備を進めてきた(高齢者対象とした条例は多々ある。以下では、一括して「高齢者条例」とする)。例えば、鷹巣町(現北秋田市)の「鷹巣町高齢者安心条例」がある。鷹巣町条例は介護の必要な高齢者等に対して提供される介護サービスの質の向上を図ることを目的としていた。特に、介護保険制度のもと、保険者たる鷹巣町は、高齢者の尊厳を守ることを最大の価値と考え、その証しとして、人権擁護の防波堤をここに築き、地方自治体に課せられた高齢者福祉行政の責務を全うするための礎石とすることを謳っていた。そのほか岸和田市(大阪府)の「岸和田市高齢者交通安全条例」や倉吉市(岡山県)の「倉吉市高齢者虐待防止条例」などがある。

本稿の目的は、高齢者条例の現状を概略的に示すことにある。そして、高齢者条例が制定される背景や傾向を考察する。本稿で言及する内容は基礎資料としての意味があり、読者に対する問題提起という観点から進めていきたい。

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