情報の収集が大切。
自治体は、さまざまな政策をつくるのですけど、その土台にあるのが情報の収集・加工・分析だと思うのです。ところが、この情報が、そもそも収集されていない状況が、意外に多くあります。その結果、政策づくりは、「管理職の勘」や「首長や議員からの要望のみ」を背景として形成されます。これぢゃあ、1割バッターですよね。
観光課が観光行政を展開しようとして、観光事業者の振興や、それにともなう自治体の税収拡大を進めようとしても、そもそも観光に関する情報がなかったりする。「いやいや法定調査がありますよ」と言っても、その法定調査がふるかったり、法定調査と現実って結構違ったりするのです。なので、まずは、ちゃんと情報を収集しなくちゃいけないのです(ちなみに、先日の自治体総合アェアでもお話ししましたが、観光振興にともなう観光客増加と税収拡大は、まったか相関関係はありません)。
そこで、自治体シンクタンクの役割の一つに、情報の収集・加工・分析があるのだと思っています。庁内にちらばっている情報の一元管理や(この一元管理は、統計課がすべきなんですが、意外に管理されていない現状がある)、これからの政策に必要な情報を、先駆けて収集しておく必要があります。
この情報の収集は、すごく地味でつまらないのですが(好きに人には楽しいと思われる)、きわめて重要なコンテンツなので、しっかりと、情報を収集(・加工・分析)をしたほうがいいと思います。ちなみに、情報は、定性的情報と定量的情報があります。
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コメント
コメントありがとうごさいます。
> そのようなことの重要性が実感を伴って認知されていません。
ここに、まず問題があるような気がするのです。民間企業の場合は、ちゃんとデータを集めて、科学的根拠に基づいた商品を提供しないと、売れないので「倒産」しちゃいます。なので、しっかりとデータを収集・加工・分析をしていきます(そうじゃない企業も多いですが・・・)。ところが、自治体って、勝手に税金が入ってくるので、倒産して職員が路頭に迷うということがありません。ので、なんだかんだ言って「倒産」への恐怖は少なく、その結果、データ収集・加工・分析が疎かになっている気がするのです(言い方に語弊があったら、すみません)。私なんで、いまだに、「路頭に迷うかもしれない」危機感があり、たぶん、それが私を前進させる原動力なんだと思っています。
> また我々自治体職員の向上心と正しい努力により、レベルアップを図り、より良い施策とその成果が得られればと思います。
上記で、私が突き放した言い方をしつつも、多くの自治体職員は真面目ですし、自治体なくしては私(たち)の生活は成立しえません。そこで、私は自治体に寄り添って、政策づくりの後方支援をしていきたいと思っています(政策をつくり実施するのは自治体であり、私は後方支援です)。ちなみ「自治体に寄り添う」ことを「御用学者」という人もいますが、それはそれでいいと私は勝手に思っています。
取り留めのない文章ですみません。住民の福祉の増進のために、ぜひ、頑張ってください(私は「言うだけ星人」ではなく、一生懸命に後方支援していきます)。
投稿: M主任研究員 | 2013年5月24日 (金曜日) 23時35分
少なくとも私の自治体では、データからその意味合いを見出し、仮説を立て、施策を立案、実施し、その結果を検証し、次のステップに進むということが行える職員は、残念ながら皆無に等しいと思われます・・・今のところ。そもそも、そのようなことの重要性が実感を伴って認知されていません。
データに基づかない意思決定者のアイデアで施策が立案され、実行に移されているのが実態です。
おっしゃるとおり、地方の大きくない自治体では似たり寄ったりの状況ではないかと思われます。
牧瀬さんのような方々の活動により、また我々自治体職員の向上心と正しい努力により、レベルアップを図り、より良い施策とその成果が得られればと思います。
投稿: IO | 2013年5月24日 (金曜日) 03時14分