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2013年6月 8日 (土曜日)

B級グルメブームを考えてみた。

●B級グルメブームの死角  
B級グルメは観光客の増加にも寄与するという意見がある。確かに、成果をあげているB級グルメはあるが、多くのB級グルメの中で、ほんの一握りである。また、たとえあったとしても一過性ものもとなっている。成功している地域は、B級グルメだけで成功したのではなく、多方面から様々な創意工夫を凝らしている点があげられる。  

冒頭に紹介した友人の言葉が示唆しているように、B級グルメの浸透により、少なからず弊害も生じつつある。特に、相次いで模倣化されるB級グルメにより、地域に今まであった郷土料理が忘れ去られる可能性もある。  

過去の新聞記事から、「B級グルメ」「B級ご当地グルメ」「地域ブランド」という語句の主要4紙における一年間に登場した回数を観察する。その傾向をもとに誤解を覚悟で言及すると、「B級グルメ・バブルが崩壊する日も近い」と指摘できるかもしれない。  

一時期「地域ブランド」が話題になった。しかし、地域ブランドは2007年前後にピークを迎え(地域ブランド・バブルが崩壊し)、年毎に取り上げられる回数が減少しつつある。いまは、本当の地域ブランドが残っている状況と言えるだろう。B級グルメも、地域ブランドと同じような曲線を描いている。  

冒頭で紹介した友人の言葉に集約されているが、例えば、経済効果という数字至上主義に陥りつつあることや、全国画一的なB級グルメが多くなってきたことなどが考えられる。

●本当の「地域おこし」とは
地域「お」こしは地域「の」こしであると考えている。地域をのこしていくためには、大前提として、その地域の独自性の追求と愛着心の形成は必須である。他人がどうではなく「自分にとってどうか」と考えることが大切である。しかし、最近のB級グルメは「他人にとってどうか」という視点が強く入り込んでいる気がする。これでは商業主義に陥り、経済効果や観光客だけを追い求めることになる。  

B-1グランプリの理念と憲章の一文に「(成功の)ポイントは「B級」にではなく「ご当地」にあります」と記されている。ご当地を中心に考えることは、独自性の掘り起しであり、愛着度の強化でもある。地域おこしは、地域化の促進と、その地域への愛着心の形成を第一に考えるべきと考える。しかしながら、昨今のB級グルメを観察すると、そうではない傾向が強くなりつつあるように感じる。  

しばしば「歴史は繰り返す」と言われる。しかし、同じ歴史が繰り返されることはない。本当は「過去を学ばない人間が」同じ歴史を繰り返してしまう。B級グルメは、過去の地域ブランドの失敗した点を学ばなくては同じ歴史を繰り返してしまうだろう。  

今回は、いま展開されるB級グルメに対して、厳しい視点から論じてきた。しかし、筆者はB級グルメの機運を潰そうと思っているわけではない。今後も持続的なB級グルメを考える意味で、いま一度立ち止り、あえて否定的な見解から考察することで、B級グルメの今後を展望するという意図がある。その意味では、今回は問題提起という意味があることを付言しておきたい。

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