人財を育成する組織。
過去の自治体シンクタンクの取組みを振り返ると「人財を育成する組織」ということも言えるかもしれません。人財とは、職員が勤務する自治体にとっても、自治体の外にある主体(例えば住民や事業者など)にとっても善の成果をもたらす職員になります。さらに自治体のあり方や住民や事業者などの意識をも変革していく有能な職員という意味もあります。
一例ですと、埼玉県戸田市が設置した戸田市政策研究所の人財育成の取組みとして、「政策形成基礎講座」や「政策形成応用講座」に加え「戸田ゼミ」という活動があります。
戸田ゼミは、次代の戸田市役所を担う主任相当職以下の職員を対象としており、月1回程度の開催を行っています。開始時間は業務終了後の18時からです。超過勤務手当の支給は行わず自発的な参加により実施されています。
戸田ゼミは参加者の双方向を基本としています。そして様々な角度から自由に意見交換をして、結論を導出しません。結論のない勉強会です。結論を求めないからこそ、発想が広がっていきます。
今日、問題を解決するために最適解はありません。様々な可能性を検討していくことになります。その様々な可能性を考察するのが戸田ゼミの役割でもあります。
自主勉強会であるため、予算もありません。予算がないため、行政評価の対象となりません。そのため縮小や廃止ということもありません。一見無意味な勉強会が「次代」の職員を育成するには、有効的に機能していると思います。
自治体が持続的に前進していくためにも、「人財を育成する組織」としての自治体シンクタンクの役割は大きいものがあります。
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