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2014年11月12日 (水曜日)

首長の思想を実現する自治体シンクタンク。

しばしばシンクタンクは「中立性」が求められると指摘されます。中立とは「対立するどちらの側にも味方しないこと。特定の思想や立場をとらず中間に立つこと」という意味があります。しかし厳密な意味で中立は不可能です。

シンクタンクを組織する人は、何かしらの思想や立場を持っています。それが全く政策研究に反映されないことはありません。 アメリカの多くのシンクタンクは共和党系か民主党系かに色分けされます。我が国のシンクタンクも、シンクタンクの運営費を拠出している団体の色に染まります。

例えば、銀行系のシンクタンクが銀行を批判することはできません。その意味で、完全な独立はありません。その視点で考えると、自治体シンクタンクも自治体から独立することはありません。

そもそも自治体シンクタンクは補助機関になります。補助機関が首長から独立していることは制度的にありません。実質的には、独立はないのです。そうであるならば、首長の考えを実現する政策研究に重きを置くべきです。たとえば、戸田市政策研究所は副市長を所長となっています。当時の自治体シンクタンクでは、副市長を所長にする事例は少なかったと記憶しています。

地方自治法第167条には「副知事及び副市町村長は、普通地方公共団体の長を補佐し、普通地方公共団体の長の命を受け政策及び企画をつかさどり・・・」とあります。つまり政策や企画の総責任者は「副市長」と明記しています。

その意味で戸田市政策研究所の所長は副市長と理解しています。つまり、自治体シンクタンクは首長のブレーンという位置づけなのです。

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